人材確保、勤務シフト、業務改善、DX、職員育成。地域も事業形態も異なる介護事業者が、実際の取り組みと悩みを持ち寄りました。
同じ介護現場でも、経験はそれぞれ違う
8月18日、第1回介護施設交流会をオンラインで開催しました。
特別養護老人ホーム、グループホーム、認知症対応型デイサービス、居宅介護支援、訪問看護、総合支援事業など、地域も事業形態も異なる皆さんが参加しました。
今回の目的は、どこか一つの施設の成功事例を聞くだけではありません。それぞれが現場で試してきたことや、まだ解決できていない課題を共有し、ほかの施設でも生かせる考え方を見つけることです。
5人の退職から始まった、こはく苑の改善
こはく苑からは、約10年前に主要職員5人が退職し、管理職やケアマネジャーも夜勤や介護業務に入りながら施設運営を支えた経験が共有されました。
その後、勤務シフトや業務の流れを見直し、外国人材の受け入れ、採用と定着、職員育成などを一つずつ進めてきました。約6年前には赤字だった経営も黒字へ転換し、今年度は約4%の収益率を確保しています。
短期間で特別な方法を導入したのではなく、現場でできることを積み重ねてきた過程に、多くの質問が集まりました。
業務と人員配置を見えるようにする
勤務シフトについては、「人が足りない」という感覚だけで話すのではなく、負荷が集中している時間帯を確認し、必要な時間に人を配置する考え方が共有されました。
不足する時間が明確になれば、求人も一日を通した募集ではなく、必要な時間に合わせて考えられます。残業や出勤前の準備時間を適正に扱うこと、午前中に集中する入浴を午後にも分散することなど、日々の運営に直結する話も出ました。
DXは、情報が伝わる仕組みをつくるため
職員数や事業所が増えると、申し送りや部門間の情報が伝わりにくくなります。FTケアを使ったバイタル・写真・利用者情報の共有、外国人職員が入力した内容の翻訳、AIによる会議記録の作成などが紹介されました。
重要なのは、デジタル機器を入れること自体ではありません。誰に何が伝わっていないのか、どの記録に時間がかかっているのかを確認し、現場に合う形で使うことです。
今回、話し合った主なテーマ
- 人材の確保と定着、外国人材の受け入れ
- 勤務シフトと忙しさが集中する時間帯の見直し
- 入浴時間や職員配置の分散
- FTケア、スマートフォン、AIを使った情報共有
- 管理者研修、職員の強みを生かす育成
- 地域の生活課題に応える保険外サービス
次回は、仕組みをさらに具体的に見ます
介護施設交流会は、毎月継続して開催します。次回は9月15日15時から、FTケアと人員配置の仕組みを紹介し、その後に参加者同士で意見交換を行います。
他施設の実践を知り、自分たちの現場で試せることを持ち帰り、その結果をまた共有する。そんな循環をつくっていきたいと思います。