訪問歯科の事例をもとに、口腔ケアが最期まで「食べる楽しみ」を支えることと、多職種で情報を共有する方法について話し合いました。
第2回 口の健康プロジェクトを開催しました
9月22日19時から、第2回口の健康プロジェクトをオンラインで開催しました。歯科医師・歯科関係者、介護ソフト事業者、経営支援、性教育・性科学の分野など、7名が参加しました。
今回は、介護・福祉・医療の経営者コミュニティであるサスケアリンクのメンバーの皆さんにもご参加いただきました。はじめに、参加者それぞれの専門領域と参加の目的を共有し、職種ごとの専門性を持ち寄って、患者さん・利用者さんの生活の質を高めるための連携方法を考えることを確認しました。
訪問歯科の事例から
90代の女性の事例が紹介されました。入院中はペースト状の食事も十分に召し上がれず、ご家族は形のある食事を希望されていました。訪問歯科が関わり、嚥下内視鏡検査を行ったうえで支援を続けました。
口腔ケア、舌の清掃、舌の運動、パタカラ体操、吹き戻しなどを続けたところ、歯ぐきの腫れや舌の汚れが改善しました。ご家族からは、発語が増え、滑舌や会話の速さが改善したことが報告されました。食事もペースト状から軟らかいおかず、さらに常食へと段階的に移行し、体重も増えました。
その後、体調の変化により食欲が低下し、最終的にお別れとなりましたが、ご家族は「好きなものを食べられた」ことに満足されていました。
多職種で情報を共有するために
医師、歯科医師、看護師、薬剤師、ケアマネジャー、ヘルパーなどが安全に情報を共有できるツールとして、MCS(メディカルケアステーション)が紹介されました。あわせて、地域の多職種連携会や定期的なオンライン会議で、顔の見える関係をつくることの大切さが語られました。
検査結果や食事の状況を記録して医科・介護職と共有することで、支援の根拠が明確になり、ご家族への説明や役割分担にもつながるという意見が出ました。
歯科の役割を伝える
訪問歯科は、虫歯の治療や歯磨きにとどまらず、嚥下、栄養、会話、食事の楽しみ、ご家族の希望に関わる専門職です。
共通の目標をそろえる
患者さんごとに「どのような最期を迎えたいか」という目標を明確にし、各職種の役割と共通言語をそろえます。
他職種の視点を学ぶ
歯科医療者自身も、医学・介護・施設運営の知識を深め、他職種の視点を理解することで信頼関係を築きます。
POICなどの口腔ケアの手法は短期間で改善がみられる場合があり、訪問歯科と相性がよいという共有もありました。
見えてきた課題
- 歯科が多職種連携の輪から外れやすく、医科・介護の側に訪問歯科の役割が十分に理解されていない
- 検査データや食事の状況を記録し共有する仕組みが十分でなく、支援の根拠や役割分担が見えにくい
- 患者さん・ご家族の希望に沿った共通目標と、職種間の共通言語をそろえる必要がある
- 歯科医療者の側も、医学・介護・施設運営への理解を深めることが求められる
次回はケアマネジャーの視点から考えます
次回は、主任ケアマネジャーを含む複数のケアマネジャーをお招きし、ケアマネジャーから見た歯科連携の課題や、歯科へ依頼する際の実情を伺います。
訪問歯科の事例紹介も続け、医科・介護職が歯科の介入による効果を理解できる場にしていきます。次回は10月27日(火)19時から、オンラインで開催します。